第7回総会・研究大会

【プログラム】

日程:2005年6月18日(土)・19日(日)

役員会会場:神戸学院大学11号館1階会議室
総会・研究大会会場:神戸学院大学11号館4階114B教室
〒651-2180 神戸市西区伊川谷町有瀬518

12:00~ 受付 
12:30~12:50 総会 
13:00~15:35 研究発表 (発表30分、質疑応答15分)
15:40~16:35 特別講演 (講演40分、質疑応答15分)
17:30~20:00 懇親会 レストラン「ネイリーズカフェ」

研究発表および特別講演要旨

開いた自立
小林正和
人間にとっての環境には、生物の一種としての側面に関係の深い地球環境と、社会性を持つ存在としての側面に関係の深い社会環境がある。環境を能動的にコントロールし欲求を満たすことを自立と呼ぶ。現在、先進国では地球環境と、それに匹敵する大きさになった社会環境の双方が複雑に絡み合った環境問題が生じている。この解決には、地球における人間の、また社会における個人の自立のしかたを捉えなおすことが必要と考える。そこで、環境との相互作用に着目した自立を開いた自立、その逆を閉じた自立と呼び、「閉じた自立にこだわることによる高齢者の生きがいの喪失」と「若い身体障碍者の自走式車椅子利用増加に伴うノーマライゼーションの停滞」とういう2つの環境問題を例に挙げて、開いた自立の可能性について述べる。

 

森有礼の身体観
廣嶋龍太郎
森有礼が師範学校における兵式体操の導入に関わったのは、有名な事実である。しかし、彼が体育の研究家であったことはほとんど顧みられていない。教育行政に携わり、日本の初代文部大臣まで務めた森は、どのような考えから兵式体操の導入に関わったのであろうか。そこで、本研究では、師範学校に兵式体操を導入し、身体の教育を提唱した森の内に形成された身体観について考察する必要がある。
森有礼が国家主義者とされているように、森の導入した兵式体操は、富国強兵体制に向かうにつれて教練と名を変え、軍国主義的な風潮を直接下支えするものへと変容した。しかし、森の言説からは軍国主義的な背景だけでなく、知的教育、道徳的教育、身体的教育という理念が窺える。特に、幼少期の養生訓や、渡英、渡米時代の体験、外交官時代の著作などから、身体の教育とその基底となっている身体観について論究してみたい。

 

観光の文化的・宗教的インパクトをめぐって
― 沖縄首里城公園およびその周辺を事例として ―
小林紀由
この報告はいわゆる「観光の文化的インパクト」問題につき、とりわけ宗教上のインパクトをめぐりその実態を明らかにしようとの試みである。事例として取り上げる首里城公園は1992年開園され、2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部としていわゆる「世界遺産」の指定を受けた宗教文化遺産を含む沖縄文化観光の拠点である。
「復帰」後の沖縄社会は観光地化により大きな変化を遂げた。「青い海、青い空」のイメージとならび「独自の歴史・文化」も「琉球王国イメージ」の形成のもと観光商品として消費され、その中に固有の聖なる場も「世界遺産」として置かれる。この報告では「見せる/見られる」ことを目的とした聖なる場の利用・改変・復元、および地元新聞投稿に見るそれらに対する県民の対応に着目し、「観光文化」がホスト社会の新たな文化を形成するという観点から上の問題に一定の回答を与えようとするものである。

特別講演

「社会的責任」について
高頭直樹
要旨は当日大会受付にて配布の予定 。

第7回総会

2005年6月19日 於神戸学院大学 

議題

Ⅰ審議事項
①2004年度決算について
②2005年度予算について
③役員の改選について
④2006年度大会開催校について
⑤その他

Ⅱ報告事項
①『総合社会科学研究』第2集7号の発行について
②その他


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