第3回総会・研究大会

【プログラム】

日程:2001年7月8日(日)

会場:日本女子大学 泉山館2F第3会議室
〒112-0015 文京区目白台2-8-1

12:30~ 受付 13:00~13:30 総会 
13:40~15:05 研究発表(発表30分、質疑応答10分)
15:10~17:05 特別報告:社会現象を数理的に見る(発表40分、質疑応答15分)
17:30~19:30 懇親会 「レストラン「揚子江 目白店」

研究発表および特別講演要旨

元禄期における求嗣法
米津 江里(神戸大学)  
江戸時代前期、元禄時代になると出版数が増加し、新たに女性を読者と想定した書物も登場する。その中に「産」を専門的に扱った書物『婦人寿草』があり、著者は医師の香月牛山である。著者は、単に最新の医療情報を提供するだけでなく、土着的方法にも配慮する態度であるが、これは女性の欲する情報や意識に即した為と考えられる。そこで、『婦人寿草』の記載内容を分析する事により、元禄期の女性の求嗣に対する実像を明らかしたい。「子なきは去る」と言われた時代に、女性達はどのようにして子を得ようと努力していたのだろうか。

 

文化理論のパラダイム・シフト  ― 記号人類学とプラグマティクス ―
小原 昭(武蔵野美術大学)
現在、カルチュラル・スタディーズという学問が流行しているが、これまでも文化分析のためのさまざまな方法が存在した。その一つはソシュールの記号学から、レヴィ=ストロースの構造人類学やロラン・バルトの文化記号学へと向かう流れである。これに対し、パースの記号論とマリノフスキーの機能人類学との隠された結びつきに注目しようとする試みがある。これはプラグマティクスという概念装置を再び活性化し、文化理論を新たに組み替える可能性をもつと考えられる。

 

超性質と社会科学 
和田和行(早稲田大学)
現代の数学や論理学においては、自分自身のメンバーであるような集合、即ち、超集合(hyper set)と呼ばれるものが考えられている。一方、哲学においては、集合と性質は異なるとする立場がある。これによれば、超集合に対応して超性質(hyperproperty)が考えられる。つまり、自分自身を性質とすることが可能であるような性質が考えられる。このような超性質は、社会科学のような内包的対象を扱う学問の基礎づけに有効と思われる。

 

集団現象の閾値モデルとカオス 
浦田健二(大東文化大学)
流行、暴動、世論形成、新製品の普及などに見られる社会における集団現象(行動)を、閾値モデル(Granovetter、1978)に基づいて考察する。このモデルは、個々人の個性をある意味で一部取り入れた動的な「過程モデル」であり、ある条件下ではカオス的挙動になることが知られていて、非常に興味深いものである。

第3回総会

2001年7月8日 於日本女子大学

議題

Ⅰ審議事項
①2000年度決算について
②2001年度予算について
③2002年度大会開催校について
④その他

Ⅱ報告事項
①『総合社会科学研究』第2集3号の発行について
②その他


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