第9回総会・研究大会

【プログラム】

日程:2007年6月24日(日)

会場:大東文化会館K302会議室
〒175-0083 東京都板橋区徳丸2-4-21

12:00~ 受付 
12:30~12:50 総会 
13:00~15:40 研究発表 (発表30分、質疑応答15分)
15:45~16:50特別講演(講演50分、質疑応答15分)
17:30~20:00 懇親会 「イタリアンレストランARCO」

研究発表および特別講演要旨

「不登校」児童・生徒の支援に関する一考察
桑原和也
私は「不登校」経験者であり、大学入学資格検定(現 高等学校卒業程度認定試験)を経て、大学に進学した。したがって、それまでの大半の時間を民間教育施設で過ごした。
民間教育施設とはその名の通り、公教育(例:適応指導教室・相談指導学級など)とは異なる民間側の運営によって行われている施設などであり、主として「フリースクール」、「フリースペース」などと呼ばれているものである。私はその民間教育施設で失っていた自信を少しずつ取り戻していった。そして、今日ではそのような民間教育施設において、児童・生徒たちと向き合っている。
児童・生徒たちと向き合う立場として民間教育施設に関わっていく中で、単なる「居場所」としての機能だけではなく、学習支援の在り方や児童・生徒の意志というものをいかにして尊重、そして確立されるべきなのかという点を強く考えるようになった。
そこで本発表では、民間教育施設とはどういうものか、民間教育施設の現状と問題、そして「不登校」児童・生徒の支援の在り方などについての考察をしたいと思う。

広重の天橋立イメージ
永田真紀
初代歌川広重の『六十余州名所図会』のうちの一図「丹後天の橋立」は、日本三景の一つ天橋立を描いた風景版画である。そこには天橋立の一部分が大胆な構図で描かれている。縦長の画面に対角線を引くように伸びる砂嘴。景観領域も極めて狭く、天橋立のランドマークとなる周辺の寺社はおろか、砂嘴の両端までもが画面から消えている。天橋立を主題とする絵画を通覧してみても、このようなヴィジュアルイメージは広重以前に例を見ない。「慕帰絵詞」に始まり、雪舟の「天橋立図」や近世屏風絵などに至るまで継承されてきたのは、水平方向伸びる砂嘴であった。そのようななかで、定型とはかけ離れた新しい天橋立図を提示したのが、広重の「丹後天の橋立」である。広重は訪れたことのない天橋立をどのようにイメージして視覚化したのであろうか。広重の四つの天橋立図を検証し、天橋立の図像史から作品の意義を考えてみたいと考える。

姫路の観光行政についての歴史的一考察
江口善章
『姫路商工会議所77年史』(平成12年3月発行)によれば、「姫路市及びその付近の名称旧跡・神社・仏閣などの宣伝及び紹介、土産品の改善及び紹介、旅館・休憩所その他接客施設の改善及び紹介、交通機関の整備及び紹介などを行う」ことを目的として、姫路観光協会が昭和8年7月15日に設立されており、当初より実に多彩な事業が展開されている。戦時中の中断はあったもののその活動は今日まで綿々と繰り広げられてきた。ところで、今日の観光事業・観光行政は戦前と比べて何が変わってきたのか、どう洗練されてきたのか、或は見るべき進歩はあったのかなかったのか、若干の考察を行う。

特別講演

初期ボードリヤールの思想形成
塚原 史
フランスの哲学者・社会学者ジャン・ボードリヤール(1929-2007)は『物の体系』1968、『消費社会の神話と構造』1970、『象徴交換と死』1976などの著作による現代社会の批判的考察で知られるが、今回はそれ以前のいわば初期ボードリヤールの思想形成過程に光を当ててみよう。『レ・タン・モデルヌ』の寄稿者やアンリ・ルフェーヴルの助手としての活動から、いかにして彼の記号論的発想が生まれたかを探ってみたい。

第9回総会

2007年6月24日 於 大東文化大学

議題

Ⅰ審議事項
①2006年度決算について
②2007年度予算について
③役員の改選について
④事務局の移転について
⑤2008年度大会開催校について
⑥その他

Ⅱ報告事項
①『総合社会科学研究』第2集9号の


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