第23回 総会・研究大会


【プログラム】

日 程:2021年6月27日(日)

開催校:日本大学 商学部

〒157-8570 東京都世田谷区砧5-2-1

開催方式:オンライン開催

※ 会員の方には総会・大会参加用のZoom の URLとパスコードは、 後日メールでお送りいたします。なお会員でない方で大会参加を希望される方は事務局にその旨お知らせ 下さい。
大会参加用のZoomのURLとパスコードをご連絡いたします。


12:00~

受 付

12:30~12:50

総会

13:00~14:20

研究発表/午前の部 (発表30分、質疑応答10分)

13:00~13:40

宗教の救済をどう観るか―沖縄プロテスタント社会派

 

研究の成果から

 

小林紀由(日本大学)司会:臼木悦生(大正大学)

13:40~14:20

留学生の健康とソーシャルキャピタルに関する研究

 

秋谷公博(南九州短期大学)司会:高橋裕子(天理大学)

14:20~14:30

休 憩(10分)

14:30~16:30

シンポジウム

コロナ禍で再検討される大学教育のあり方

 

司会:高頭麻子(日本女子大学)

  

語学教育(フランス語)を例に

 

報告者:奥 香織(明治大学)

  

講義科目(哲学講義)を例に

 

報告者:瀧田 寧(日本大学)

  

教職科目を例に

 

報告者:廣嶋瀧太郎(明星大学)



【研究発表 要旨】


(司会:臼木悦生)

宗教の救済をどう観るか ―沖縄プロテスタント社会派研究の成果から

小林紀由(日本大学)

この発表は、「復帰期」の沖縄キリスト教に対する調査の成果を基礎として、 宗教と宗教上の救済とをどのよ うにとらえるかという、宗教観に関する考察を 整理しようとの意図に基づくものである。沖縄キリスト教に関す る具体的調査 成果を提示するものではない。 宗教は一方ではデユルケムに代表されるように「集団統合」の視点からとらえ られるとともに、他方では人間の問題の「心理的解決」の視点からも理解されてきた。この発表においては、単なる「心理的問題解決」としての宗教・救済観を拒否し、むしろ集団への「帰属」によりアイデンティティ問題を解決するとともに、集団内の相互扶助により諸々の具体的問題を解決に導く宗教・救済観を提示したいと考えている。神などの超越的力による救済を相互扶助的集団による問題解決としてとらえ、そのような集団への「帰属」こそが救済をもたらすとの視点である。いうまでもなく、新たな集団への帰属は新たな支配構造への帰属でもあり、そこには新たな問題も生じる。
 以上のことは宗教集団への帰属においても、沖縄の日本への帰属においても同様に観察 される。いわゆる世俗集団と宗教集団との間に明確な区別をもうけることは適切ではないであろう。



(司会:高橋裕子)

留学生の健康とソーシャルキャピタルに関する研究

秋谷公博(南九州短期大学)

1983 年 8 月に 100,000 人の留学生を受け入れることを目標とした「留学生 10 万人計画」が提言されて以降、わが国において留学生政策は、国際貢献等の 観点からも重要な国策の一つとして取り組まれてきた。2008 年に 2020 年を目途 として留学生の受け入れ 300,000 人を目指すことが目的として掲げられた「留学生 30 万人計画」では、「高度人材受入れとも連携させながら、国・地域・分野などに留意 しつつ、優秀な留学生を戦略的に獲得していく」1)とし、我が国において優秀な留学生 の獲得が重要な課題となっている。
 日本学生支援機構(2021)によると、2020 年5 月1 日時点での留学生の出身地域別では、 留学生279,597 人中アジア地域が 264,420 人と全体の実に 94.6%を占めている 2)。 国・地域別留学生数では、1 位中国 (121,845 人)、2 位ベトナム(62,233 人)、3 位ネパール(24,002 人)の順で多 く 3)、これら 3 ヵ国の留学生の前留学生に占める割合は 74.4%である。その中でも とりわけ近年ベトナムとネパールからの留学生数の増加が顕著に見られ、今後我が国の 留学生政策においても両国の留学生が重要な存在となるものと考えられる。加えて、高 度人材として優秀な留学生の獲得は我が国においても重要な課題であるが、その為にも 留学生が安心して生活できる為の様々な支援などが必要であろう。
 上記を踏まえ、本研究ではベトナム人留学生とネパール人留学生に焦点を当て、両国の 留学生の健康とソーシャルキャピタルとの関連について調査研究を行うことで、留学生への支援のあり方などについて明らかにすることを目的としている。本研究のこうした取り組みは、今後の留学生政策においても重要な示唆を与えるものと考えられる。


1) 文部科学省他(2008)p.1。
2) 日本学生支援機構(2021)p.3。
3) 日本学生支援機構(2021)p.4。

参考文献
・独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)(2021)「2020(令和 2)年度外国人留学生在籍状況調査結果」、https://www.studyinjapan.go.jp/ja/_mt/2021/04/date2020z.pdf(2021 年 6 月 10 日閲覧)。
・文部科学省、外務省、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省(2008)「「留学生 30 万人計画」骨子」、
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/ (2021 年 6 月 10 日閲覧)。



【シンポジウム】

コロナ禍で再検討される大学教育のあり方

 

新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態のなか、昨年度からどの 大学でもさまざまなかたちでオ ンライン授業が行われている。従来の対面授業を 「当然」のものとして実践できないなか、学生が大学に通う機会が奪われるなど、 オンライン授業のデメリットに光が当てられることが多いが、その一方で、 授業方法・提供内容という面から見ると、オンラインあるいはメディアを活用した 授業ならではのメリットも見えてきている。 本シンポジウムでは、語学教育の あり方、講義科目の方法、教職科目の実践といった複数の異なるタイプの授業を 取り上げ、具体的な実践例とともに報告を行い、オンライン(オンデマンド、 リアルタイム配信、LMS 等) を活用した授業のあり方、教育のあり方の可能性を 検討したい。
 例えば「コミュニケーション」を念頭に置いた語学授業の場合、授業方法は 一般に「対面」の方が良いと思わ れがちである。しかし実際には、発音練習などの 面でオンライン(リアルタイム配信)だからこその良さもある。講義科目、演習 科目等、授業内容にもよるが、今後は、対面とオンライン授業とを多様に組み合わ せた授業のあり方がさらに検討されていくのではないか。こうした現状を踏まえ、 「コロナ渦で再検討を強いられた授業方法」を出発点としつつも、その枠にとらわ れない、今後を見据えた広い視野で、大学における授業のあり方 (とくにメディアを活用した授業方法・実践)について考える場としたい。

コーディネーター:奥 香織







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